中華人民共和国国務院令

第530号

 「民用建築省エネ条例」は2008年7月23日、国務院第18回常務会議で採択された。ここに公布し、2008年10月1日より施行する。

総理 温家宝
二○○八年八月一日

民用建築省エネ条例

第一章 総 則

第一条 民用建築の省エネ管理を強化し、民用建築の使用におけるエネルギー消費を削減し、エネルギーの利用効率を高めるため、本条例を制定する。
第二条 本条例において民用建築省エネとは、民用建築の使用機能と室内の熱環境質の保障という前提の下、その使用におけるエネルギーの消耗を削減する活動をいう。
本条例の民用建築とは、住宅用建築、国家機関の執務用建築物および商業、サービス業、教育、衛生などの公共建築を指す。
第三条 各級人民政府は民用建築の省エネ活動に対する指導を強化し、民用建築省エネ・サービス市場を積極的に育成させ、民用建築の省エネサービスシステムを充実させることに力を入れ、民用建築省エネ技術の開発応用を推進し、民用建築省エネ知識の普及を行輪なければならない。
第四条 国は、新規建設の建築と既存建築の省エネ改造における太陽エネルギー、地熱エネルギーなど再生可能エネルギーの採用を奨励、支持する。
  太陽エネルギーの利用条件が整えられる地域においては、地方人民政府と関係部門は有効的な措置を講じ、職場および個人の太陽エネルギー給湯システム、照明システム、暖房エアコンシステムなど太陽エネルギー利用システムの建設と使用を奨励、支持しなければならない。
第五条 国務院の建設主管部門は、全国の民用建築省エネの監督・管理に責任を負う。 県級以上地方人民政府の建設主管部門は、その行政区域内の民用建築省エネ監督管理を担当する。
  県級以上人民政府の関連部門は、本条例の規定および本級人民政府の規定した職責分担に基づき、民用建築の省エネ関連業務を担当する。
第六条 国務院建設主管部門は、国の省エネ中・長期特別計画の指導のもとで、全国の民用建築の省エネ計画を策定し、関係計画との整合を図らなければならない。
県級以上地方人民政府の建設主管部門は、当該行政区域の民用建築省エネ計画の制定を組織し、本級人民政府の認可を経て実施する。
第七条 国は、民用建築の省エネ基準体系を構築し、その健全化を図る。国の民用建築省エネ基準は、国務院の建設主管部門が制定し、法定のプロセスに従い公布する。
  国は、国の民用建築省エネ基準より厳しい地方民用建築省エネ上乗せ基準の制定、採用を奨励する。
第八条 県級以上人民政府は、民用建築省エネの資金を調達し、民用建築の省エネに関する科学技術研究と基準の制定、既存建築保護構造と暖房供給システムの省エネ改造、再生可能エネルギーの応用および民用建築省エネのモデル事業、省エネプロジェクトの普及に用いる。
  政府は、金融機関が既存建築の省エネ改造、再生可能エネルギーの応用および民用建築の省エネモデル事業などに支援を提供するよう働きかける。
  民用建築の省エネプロジェクトは法に基づき税収の優遇を享受する。
第九条 国は、暖房供給体制の改革を積極的に推し進め、暖房供給の価格形成メカニズムを完全なものにし、集中的暖房供給を奨励し、次第に暖房使用量による料金徴収の制度を実行する。
第十条 民用建築省エネ業務において著しい成績をあげた部門と個人に対し、国の関連規定に基づき表彰と奨励を与える。

第二章 新築建築の省エネ

第十一条 国は、民用建築省エネの新技術、新工法、新材料、新設備の使用を普及し、、エネルギー消費の多い技術、製品、材料、設備の使用を制限、または禁止する。国務院省エネ主管部門、建設主管部門は、使用普及、使用制限、使用禁止のリストを制定、公布し、適時にこれを更新しなければならない。
  国は、エネルギー消費の多い技術、材料、設備の輸入を制限、または禁止する。
 建設部門、設計部門、施工部門は、建築活動において使用禁止リストにある技術、工法、材料、設備を使用してはならない。
第十二条 都市の詳細計画、鎮の詳細計画の作成にあたり、民用建築省エネの要求に基づき、建築の構造、形状と向きを確定しなければならない。
  都市と農村計画の主管部門は、法に基づき民用建築に対し計画の審査を行い、その設計案が民用建築省エネの強制的基準に合致するかどうかについて建設主管部門の意見をきかなければならない。建設主管部門は、意見を求める材料を受け取った日から10日内に意見を提出しなければならない。意見を求める時間は計画許可の期限内に入らない。
  民用建築省エネの強制的基準に合致しないものに対し、建設事業計画許可証を交付してはならない。
第十三条 施工図設計文書の審査機関は、民用建築省エネの強制的基準に基づき施工図設計文書に対し審査を行わなければならない。審査により民用建築省エネの強制的基準に合致していないものに対し、県級以上地方人民政府の建設主管部門は施工許可証を交付してはならない。
第十四条 建設部門は、民用建築省エネ強制的基準に違反して設計し、施工するよう、設計部門、施工部門に指示または示唆してはならない。施工図設計文書の要求に合致しない壁材、保温材、扉と窓、暖房エアコンシステム、照明設備を使用するよう、施工部門に指示または示唆してはてはならない。
  契約の約定に基づき、建設部門より壁材、保温材、扉と窓、暖房エアコンシステムと照明設備の調達を担当する場合は、建設部門は施工図設計文書の要求に合致するようこれを保障しなければならない。
第十五条 設計部門、施工部門、施工監理部門およびその登録執業者は、民用建築省エネの強制的基準に基づき設計、施工、施工監理を行わなければならない。
第十六条 施工部門は、施工現場に搬入される壁材、保温材、扉と窓、暖房エアコンシステムと照明設備に対し検査を行い、施工図設計文書の要求に合致しないものについては、使用してはならない。
  施工監理部門は、施工部門が民用建築省エネの強制的基準に基づき施工しない場合は、これを是正するよう施工部門に求めなければならない。施工部門が是正しない場合は、施工監理部門は、速やかに建設部門に報告すると同時に、関連主管部門に報告しなければならない。
  壁体、屋根の保温工事の施工において、監理エンジニアは、施工監理規定の要求に基づき、現場での立会い、巡視、平行検査などの形式で、監理を行わなければならない。
  監理エンジニアのサインがなければ、壁材、保温材、扉と窓、暖房エアコンシステム、照明設備を工事に使用または設置をしてはならない。また、施工部門はその次の施工作業を進めてはならない。
第十七条 建設部門は、竣工検査を行う際、民用建築省エネの強制的基準に合致するかどうかについて検査を行わなければならない。民用建築省エネ強制的基準に合致しないものに対し、竣工合格報告書を交付してはならない。
第十八条 集中的に暖房を供給する建築には暖房供給システムの調整・制御装置、暖房計量装置と室内温度管理装置を取り付けなければならない。また、公共建築においては、電力使用別計量装置も取り付けなければならない。住宅用建築に取り付けられる暖房計量装置は戸別計量の要求を満たさなければならない。
  計量装置は、法に基づき検定合格のものでなければならない。
第十九条 建築の共用廊下、階段などの場所には、省エネ照明器具と電気コントロール装置を取り付けなければならない。
第二十条 再生可能エネルギーの利用条件を備える建築に対しては、建設部門は、適切な再生可能エネルギーを選定し、暖房、エアコン、照明と給湯などに使用しなければならない。設計部門は、再生可能エネルギーの利用基準に基づき設計しなければならない。
  再生可能エネルギー利用施設を建設する場合は、主体工事と同時設計、同時施工、同時検収を行わなければならない。
第二十一条 国家機関の執務用建築物と大型公共建築の所有者は、建築のエネルギー利用効率に対し測定・評価と標示を行し、国の関係規定に基づき測定・評価結果を公示し、社会の監督を受けなければならない。
  国家機関の執務用建築物においては、省エネ設備を取り付け、使用しなければならない。
  本条例において「大型公共建築」とは、単体建築面積が2万平方メートルを超える公共建築を指す。
第二十二条 不動産開発企業が住宅を販売する場合は、その住宅のエネルギー消費指標、省エネ措置と保護要求、保温工事の保守期間などの情報を明示し、その住宅売買契約と住宅品質保証書、住宅使用説明書においてこれを明記しなければならない。
第二十三条 正常な使用条件の下で、保温工事の最低保証期間を5年間とする。保温工事の保守期間は、竣工検査合格した日から計算する。
  保守範囲と保守期間内中に保温工事品質に問題が発生した場合は、施工部門は保守義務を履行し、法に基づきその損失を賠償しなければならない。

第三章 既存建築の省エネ

第二十四条 既存建築の省エネ改造は、現地の経済、社会発展水準および地理・気候条件などの実情に基づき、計画的に、段階的に分類して実施しなければならない。
  本条例において「既存建築の省エネ改造」とは、民用建築の省エネの強制的基準に合致しない既存建築の周囲壁構造、暖房供給システム、暖房エアコンシステム、照明設備と給湯施設などに対する省エネ改造を実施する活動をいう。
第二十五条 県級以上地方人民政府の建設主管部門は、その行政区域内の既存建築の建設年代、構造形式、エネルギー利用システム、エネルギー消費指標、ライフサイクルなどに対し、調査統計と分析を行い、既存建築の省エネ改造計画を制定し、省エネ改造の目標、範囲と要求を明確にし、同級人民政府の認可を経てこれを実施しなければならない。   中央国家機関の既存建築の省エネ改造は、関連機関事務を管理する部門により省エネ改造計画を制定し、その組織・実施を行う。
第二十六条 国家機関の執務用建築、政府投資および政府投資を主とする公共建築の省エネ改造は、省エネ改造案を制定し、十分に論証した上、国の関連規定に基づき関係審議承認手続を経てこれを実施しなければならない。
  各級人民政府と関係部門、企業は、国の関連規定と基準に違反して省エネ改造の名目で前項既存建築に対し拡張、改築を行ってはならない。
第二十七条 住宅用建築と本条例第二十六条の規定以外のその他の公共建築が民用建築の省エネ強制的基準に合致しない場合は、建築所有者の意思を尊重する上に、拡張、改築の実施に合わせて、省エネ改造を逐次に実施することができる。
第二十八条 既存建築の省エネ改造を実施する場合は、民用建築の省エネ強制的基準に合致し、日光遮断、通風などローコストの改造措置を優先的に採用しなければならない。
  既存建築周囲壁結構と暖房供給システムの改造は、同時に行わなければならない。
第二十九条 集中暖房供給の建築に対する省エネ改造は、暖房供給システムの制御装置と暖房供給計量装置を取り付けなければならない。公共建築に対する省エネ改造は、室内温度管理装置と電力使用計量装置を取り付けなければならない。
第三十条 国家機関の執務用建築の省エネ改造費用については、県級以上の人民政府は本級の財政予算に組み入れる。
  住宅用建築と教育、科学、文化、衛生、スポーツなど公益事業に利用する公共建築の省エネ改造費用は、政府、建築所有者の共同負担とする。
 国は、社会資金の既存建築省エネ改造に対する投資を奨励する。

第四章 建築エネルギー使用システムの省エネ

第三十一条 建築の所有者または使用者は、建築用エネルギー使用システムの正常的運転を保障し、建築周囲壁構造と建築用エネルギーシステムを人為的に破壊してはならない。
  国家機関の執務用建築と大型公共建築の所有者または使用者は民用建築の省エネ管理制度と操作規定の整備、健全化を図り、建築用エネルギー使用システムに対し、モニタリング、メンテナンスを行い、項目別電力使用量を県級以上地方人民政府の建設主管部門に定期的に報告しなければならない。
第三十二条 県級以上地方人民政府の省エネ主管部門は、同級の建設主管部門と共同でその行政区域内の公共建築の重点的電力使用部門およびその年度の電力使用定額を確定しなければならない。
県級以上地方人民政府の建設主管部門は、本行政区域内の国家機関の執務用建築と公共建築の電力使用状況に対し、調査統計と評価分析を行わなければならない。国家機関の執務用建築と大型公共建築の暖房、エアコン、照明用エネルギーの消費状況は、法律、行政法規と国のその他の関連規定に基づき、社会に公布しなければならない。
  国家機関の執務用建築と公共建築の所有者あるいは使用者は、県級以上地方人民政府の建設主管部門が行う調査統計に協力しなければならない。
第三十三条 暖房供給部門は、関連制度の整備、健全化を図り、専門技術者に対する教育と育成訓練を強化しなければならない。
  暖房供給部門は、技術設備を改善し、計量的管理を行い、暖房供給システムに対し、モニタリング、メンテナンスを行い、暖房供給システムの効率を高め、暖房供給システムの運転が民用建築の省エネ強制的基準に合致するよう保障しなければならない。
第三十四条 県級以上地方人民政府の建設主管部門は、本行政区域内の暖房供給部門のエネルギー消費状況に対し、調査統計と分析を行い、暖房供給部門のエネルギー消費指標を定めなければならない。エネルギー消費指標を超過するものに対し、相応する改善措置を講ずるよう求め、その実施を監督しなければならない。

第五章 法的責任

第三十五条 本条例の規定に違反し、県級以上人民政府の関連部門が下記の行為のいずれかに該当する場合、責任のある主管者およびその他直接責任者に対し、法に基づき処分を与える。犯罪とみなされる場合は、法に基づき刑事責任を追及する。
(一)設計案が民用建築の省エネ強制的基準に合致しない民用建築プロジェクトに建設計画許可証を交付した場合、
(二)民用建築の省エネ強制的基準に合致しない設計案に合格意見を提出した場合、
(三)施工図設計文書が民用建築の省エネ強制的基準に合致しない民用建築プロジェクトに施工許可証を交付した場合、
(四)法に基づき監督・管理の職責を履行しないその他の行為があった場合。
第三十六条 本条例の規定に違反し、各級人民政府と関連部門、企業が国の関連規定と基準に違反し、省エネ改造の名目で既存建築の拡張、改築を行った場合、責任のある主管者およびその他直接責任者に対し、法に基づき処分を与える。
第三十七条 本条例の規定に違反し、施工部門が下記の行為のいずれかに該当する場合は、県級以上地方人民政府の建設主管部門は、是正を命じ、20万元以上、50万元以下の過料に処する。
(一)設計部門、施工部門に民用建築の省エネ強制的基準に違反して設計、施工することを明示または示唆した場合、
(二)施工部門に施工図設計文書の要求に合致しない壁材、保温材、扉と窓、暖房エアコンシステムと照明設備を使用することを明示または示唆した場合、
(三)施工図設計文書の要求に合致しない壁材、保温材、扉と窓、暖房エアコンシステムと照明設備を調達した場合、
(四)使用禁止リストにある技術、工法、材料と設備を使用した場合。
第三十八条 本条例の規定に違反し、建設部門が民用建築の省エネ強制的基準に合致しない民用建築プロジェクトに竣工検査合格報告書を交付した場合は、県級以上地方人民政府の建設主管部門は、是正を命じ、民用建築プロジェクト契約金額の2%以上、4%以下の過料に処する。損失をもたらした場合は、法に基づき賠償責任を負う。
第三十九条 本条例の規定に違反し、設計部門が民用建築の省エネ強制的基準に基づき設計しない、または使用禁止リストにある技術、工法、材料と設備を使用した場合は、県級以上地方人民政府の建設主管部門は、是正を命じ、10万元以上、30万元以下の過料にする。情状が深刻な場合、資格証書の発行部門は、操業停止を命じ、資格等級を下げ、または資格証書を取り上げる。損失をもたらした場合は、法に基づき賠償責任を負う。
第四十条 本条例の規定に違反し、施工部門が民用建築の省エネ強制的基準に基づき施工しない場合は、県級以上地方人民政府の建設主管部門は、是正を命じ、民用建築プロジェクトの契約金額の2%以上、4%以下の過料に処する。情状が深刻な場合、資格証書の発行部門は、操業停止を命じ、資格等級を下げ、または資格証書を取り上げる。損失をもたらした場合は、法に基づき賠償責任を負う。
第四十一条 本条例の規定に違反し、施工部門が下記行為のいずれかに該当する場合、県級以上地方人民政府の建設主管部門は、是正を命じ、10万元以上、20万元以下の過料に処する。情状が深刻な場合、資格証書の発行部門は、操業停止を命じ、資格等級を下げ、または資格証書を取り上げる。損失をもたらした場合は、法に基づき賠償責任を負う。
(一)施工現場に搬入される壁材、保温材、扉と窓、暖房エアコンシステムと照明設備を検査しなかった場合、
(二)施工図設計文書の要求に合致しない壁材、保温材、扉と窓、暖房エアコンシステムと照明設備を使用した場合、
(三)使用禁止リストにある技術、工法、材料と設備を使用した場合。
第四十二条 本条例の規定に違反し、施工監理部門が下記行為のいずれかに該当する場合、県級以上地方人民政府の建設主管部門は、期限を定めて是正を命じ、期限を過ぎても是正しない場合は、10万元以上、30万元以下の過料に処する。情状が深刻な場合、資格証書の発行部門は、操業停止を命じ、資格等級を下げ、または資格証書を取り上げる。損失をもたらした場合、法に基づき賠償責任を負う。
(一)民用建築の省エネ強制的基準に基づき施工監理を実施しなかった場合、
(二)壁、地面の保温施工作業において、立会い、巡視、平行検査などの形式で、施工監理を実施しなった場合、
  施工図設計文書の要求に合致しない壁材、保温材、扉と窓、暖房エアコンシステムと照明設備に対し、施工図設計文書の要求に合致するサインをした場合は、「建設施工品質管理条例」第六十七条の規定に基づき処罰する。
第四十三条 本条例の規定に違反し、不動産開発企業が住宅を販売するとき、住宅のエネルギー消費指標、省エネ措置、保護要求、保温工事の保守期間などの情報を購買人に明示しない、または明示した住宅のエネルギー消費指標が実際のエネルギー消費に一致しない場合は、法に基づき民事責任を負う。県級以上地方人民政府の建設主管部門は、期限を定めて是正を命じ、期限を過ぎても是正しない場合は、交付した住宅販売総額の2%以下の過料に処する。情状が深刻な場合、資格証書の発行部門は、資格等級を下げ、または資格証書を取り上げる。
第四十四条 本条例の規定に違反し、登録執業者が民用建築の省エネ強制的基準を実行しない場合は、県級以上人民政府の建設主管部門は、3ヶ月以上、1年以下操業停止を命ずる。情状が深刻な場合、資格証書の発行部門は、その執業資格証書を取り上げ、5年以内に再登録をしてはならない。

第六章 附 則

第四十五条 本条例は、2008年10月1日から施行する。